Cubase などでおなじみのSteinbergが、新しい楽譜作成ソフト「Dorico」を2016年5月17日にMOLA (Major Orchestra Librarians’ Association) で発表しました。発売は、2016年の冬になるということです!!楽しみですね! Steinberg 製品ページ(https://www.steinberg.net/en/products/dorico.html)
Steinberg では2012年から新しい楽譜作成ソフトの開発を発表しており、元Sibelius のプロダクトマネージャー Daniel Spreadbury 氏を筆頭とする開発チームで黙々と開発が続けられてきました。 開発の模様は、MAKING NOTES というブログで公開されてきましたが、今回ようやく製品名と全体的な仕様のお披露目となりました!
Dorico という名前の由来
「Dorico」というちょっと聞きなれない名前ですが、その命名に至った経緯が900ワード(!!!)近い長文でMAKING NOTES で紹介されています。 Danielの製品や開発に対する熱い思いが伝わってくる内容なので、是非興味のある方はご一読いただければと思いますが、かいつまんでご紹介すると、
開発時の各バージョンのコードネーム(開発時に用いられる仮の名称) には、偉大な印刷家や浄書家の名前をつけようと思って探していたところ、Valerio Dorico という16世紀にローマで活躍し、偉大な功績を残したイタリアの楽譜の印刷家(活版印刷)の名前に出会って、彼の名前をコードネームにしました。 その後、正式な製品名を考えていく中で、他の製品と重複しないよう、覚えやすいよう…などマーケティングの側面から数多くの案を検討した結果、コードネームだった「Dorico」をそのまま利用することになりました。すぐにこの名前が好きになれないかもしれませんが、私たちの中でこの名前が育ってきたように、あなたの中でもきっと名前が育っていくでしょう
“超” 意訳: 出典 MAKING NOTES ということです。熱いですね!!!そしてなんだかロマンチックです。
気になる中身の詳細は
まだ全貌が明らかになっていないDoricoですが、基本的な仕様は以下のようになるようです。
- ミュージシャンがミュージシャンのためにデザインした次世代の OS X / Windows 対応64ビット楽譜作成ソフトウェア (El Capitan やWindows 10 に対応する予定だと述べられています)
- 優れたカーニング機能により隣接した音符や記号の間隔を最適に調整し、リズム表記を乱さずに美しさと高い視認性を実現
- 細部に渡って考慮された美しい楽譜印刷
- 柔軟な音符入力と強力な編集機能、音符の挿入や既存の音符の音価(長さ)変更なども可能
- 複数の音楽のアイデアを一つのプロジェクト上で扱える強力なスコア管理機能
- 一つのプロジェクトの中に譜表、楽章、セクション、小曲を無制限に作成可能
- 独立して設定可能なフルスコア、指揮者用スコア、パート譜のレイアウト
- すべてのツールを効率的に配置したシングルウィンドウインターフェース
- MIDIキーボードや文字キーボード入力対応
- MusicXML、MIDI、グラフィックフォーマットでの読み込み / 書き出し対応
- 最大 192kHz 対応の32ビット浮動小数点オーディオエンジン
- HALion Sonic SE 2、HALion Symphonic Orchestra 搭載
- VST 3
- チャンネルストリップ(コンプレッサー、EQ、リミッター)、コンボリューションリバーブなどハイエンド VST エフェクト搭載
盛りだくさん!! リガラボが、おっこれは!?と思った部分をご紹介しますね。
シングルウィンドウインターフェース
ソフトを利用する上で、結構大きく係わってくるのが「見た目」ですよね。人それぞれ好みが違いますが、やはり「使いやすさ」に係わってくる重要な部分です。 度々開発ブログでも仕様が紹介されてきましたが、今回Doricoでは「シングルウィンドウインターフェース」が採用されているようです。
画面を推移せずにあらゆる作業ができる、ということですね。
開発ブログで紹介されている画面のモードでは「Write」「Engrave」「Play」「Print」というタブがあるようです。
楽譜を書いて → 浄書して → 再生して → 印刷 がワンストップにできるようですね!
再生周り、Cubase ブランドパワー
DAWのCubase の開発元、ということだけあって、Doricoに搭載される音源はHALionになるようです!Cubase 等でも評価が高い音源ですね。また、192kHz、32ビット浮動小数点オーディオエンジン搭載、ということなので、いわゆるハイレゾで自分の楽譜の再生(やおそらくオーディオエクスポートも)ができそうですね♪
また、最初からコンプレッサー、EQ、リミッターなどのオーディオエフェクトが搭載されているのも嬉しいですね!
よりDAWに近い形で音源を操作できる予感がします。
クロスグレード版有!
なんとSibelius とFinale のユーザーの場合、クロスグレード版の用意があるそうです!
日本円での価格は未定ですが、
フル版が579ユーロ、アカデミック版が349ユーロ、クロスグレードは299ユーロでの発売になるようです。
発売は2016年Q4(10月~12月) ということですので、楽しみにしましょう☆
リガラボでも引き続きレポートしたいと思います!
日本語製品ページ: http://japan.steinberg.net/jp/products/dorico.html
この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下記のボタンを押してください。